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2011年5月26日 (木)

省エネの家

住宅版エコポイントで、省エネ改修工事が多くなっていましたが

震災を機に、さらに省エネ機運が高まってきました。

 

太陽光発電を新築住宅の標準にするなどの動きも聞こえてますが

それ以前にすべきこと。

 

建物そのものの省エネ性能アップです。

長いですが、ハード面のお話を少々。

 

いくら太陽光発電で、自然エネルギーを取り込んでも、建物が省エネになっていなければ本末転倒です。

 

国交省が定めている次世代省エネ基準というのがあり、個人的には全国の建物を、最低でも「Ⅱ地域」といわれる基準に合わせるべきだと考えています。

 

Ⅱ地域とは青森・岩手・秋田を言い、かなりの断熱性能です。

(個人的目標はⅠ地域=北海道基準。それでも北海道の最低基準なのですが・・・)

 

ここで一点、落とし穴。

省エネ基準は義務化されていません。

これに順ずることで融資金利などの優遇を受けることが出来ますが、あくまで「基準」ですので、現在新築されている家が全て省エネ基準に則しているわけではありません。

 

もう一点、断熱性能を上げるだけなら断熱材を厚くするとかで対処できますが、それだけだと足りません。

気密性能を上げること=スキマを少なくすることです。

 

今まで(今でも?)の住宅は、大手も一般工務店が建てる家も、窓を一ヶ所開けているほどスキマのあるものでした。

このスキマは、冷えやすい建物の角や、断熱材の施工不良のような場所で結露を起こし、かえって建物を早く傷めてしまいます。

 

気密性能は床面積あたり1c㎡/㎡以下が望ましく、それでも1割から2割程度の冷暖房ロスがあるといわれています。

分かりやすく数字にしてみましょう。

 

40坪=約132.5㎡の家で

 132.5×1c㎡/㎡=132.5c㎡のスキマになります。

132.5c㎡を平方根で割ると 

 √132.5c㎡=11.51cm

 

つまり11.5cm×11.5cm=ゲンコツ一つ程度のスキマしかない家ということになり、これを高気密の家といいます。

(高気密というには1c㎡/㎡よりもっと厳しくなければダメだ、という意見もあり、その通りだと思います)

 

気密性能が上がると、義務化されている24時間換気が生きてきます。

ペアガラスなのに結露するなどの弊害は、気密工事がされず、そのため24時間換気が計算どおりに働かないことが原因でした。(ファンヒーターを使っていたら論外です)

 

もう一点、落とし穴。

気密性能は、基準の数字さえ国で定められておらず、「気密性能を上げるべき」程度です。

気密性能は気密測定器で計測できますが、気密の基準を設けてしまうと大手ハウスメーカーは軒並み基準をクリアすることが出来ません。

(大手でもツーバイフォーなら、少しだけ工夫すれば簡単にクリア出来ます。)

 

大手で出来ないことを中小零細はできるので、ウチにも仕事が来てありがたいのですが、大手の建設棟数は桁が違います。

これから新築される建物に、国が省エネ住宅推進を謳うなら、太陽光発電より先行して、建物基準そのものにメスを入れるべきだと思うのです。

 

もちろん、昔から言われている「家は夏を旨として造るべし」も大切。

気密・断熱しても、気候のいいときは窓を開ければ風が通り、夏は日差しが入らないよう軒を出す工夫が必要です。

昔ながらの知恵を組み合わせることで、日本の風土に合った省エネの家が出来るのです。

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